株式会社保健科学研究所

遺伝子リスクマーカー

糖尿病・高血圧症といった、動脈硬化や心疾患を引き起こす病気の多くは日頃の生活習慣および遺伝的な体質が発症リスクに大きく影響します。
個人の遺伝子配列のわずかな違いを調べることで疾患に関するリスクを予測します。

喫煙による肺癌リスク

喫煙による肺がんのリスクに関わるCYP1A1、GSTM1遺伝子の多型を調べます。

タバコの煙の中にはいくつもの発癌物質があることが分かっていますが、その中に「ベンツピレン」という物質があります。この物質は体内に入ると、まず「CYP1A1」という酵素によって活性化され、猛毒の「ディオールエポキシド」という状態になります。この物質はDNAを損傷させ、癌を引き起こす原因となります。この「ディオールエポキシド」は「GSTM1」という別の酵素が働いて解毒され体外へ排泄されます。 この検査では「CYP1A1」と「GSTM1」を作る遺伝子について調べ、この酵素をもっているか、またその働きが正常かどうかを調べ、喫煙による肺がんのリスクを評価します。

飲酒による食道がんリスク

飲酒による食道がんのリスクに関わるALDH2遺伝子の多型を調べます

お酒と食道癌の関係を調べた研究によると、ほどほどにお酒が飲める人が食道癌になるリスクが高くなることがわかりました。「アセトアルデヒド」は発癌性物質であるため、分解の遅い人はリスクが高くなると考えられています。

メタボリックシンドローム・2型糖尿病リスク

メタボリックシンドローム、2型糖尿病のリスクに関わるアディポネクチン遺伝子の多型を調べます

アディポネクチンとは、脂肪細胞から分泌される生理活性物質のひとつで、インスリンに対する感受性を高めたり、糖尿病になりにくくする作用を持つ「善玉ホルモン」のことです。高脂肪食や運動不足などが原因で内蔵に脂肪がついてくると、分泌量が低下し、2型糖尿病やメタボリックシンドロームになりやすくなるといわれております。アディポネクチンの分泌量は、高脂肪食や運動不足などの環境要因の他に、アディポネクチンをつくる遺伝子の個人差(遺伝子多型)によっても規定されていることがわかっています。

肥満リスク

β3アドレナリンレセプターおよびβ2アドレナリンレセプター遺伝子の多型を調べます。

肥満リスク検査では、「アドレナリンレセプター」という脂肪の燃焼を促進させる働きのあるタンパク質をつくる遺伝子2種類を調べます。β3アドレナリンレセプターは11型、12型、22型の3つに分けられます。β2アドレナリンレセプターは、GG型、RG型、RR型の3つの型に分けられます。双方の型を組み合わせることでリスク判定を行います。

循環器疾患リスク(男性3種、女性4種)

循環器疾患リスクに関わるPTGIS、NPRI、FSHR、STRK1領域の遺伝子多型を調べます。

●PTGIS(ヒトプロスタサイクリン合成酵素):心筋梗塞、脳梗塞の発症リスクに関与
●NPRI(ヒトナトリウム利尿ペプチドA型受容体):心筋梗塞、本態性高血圧症のリスクに関与
●FSHR(ヒト卵胞刺激ホルモン受容体):女性の閉経後高血圧症の発症リスクに関与
●STRK1領域:脳梗塞の発症リスクに関与

本検査の実施のため血液から検出したDNAは、ご依頼いただいた遺伝子のみを調べますので、他の遺伝子の解析や別の目的に使用することはありません。なお、本検査でわかることは、ある種の病気へのなりやすさなどごく一部のことに限られており、感情や知能などを検査するものではありません。

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